初めての計画停電

地震にともなう福島原発などの事故を受けて、首都圏では計画停電が14日から行われています。地震によって複数の発電所が機能停止し、普段の生活・経済活動で必要とされる電力量が供給できない状況にあります。こうした状態で普段通りに電気を使用していると、大規模な停電が発生してしまうかもしれません。そこで突発的な事故を避けるために、東京電力管内を5つのグループに分け、朝6時20分から夜の10時までを輪番で停電させる、という計画が実施されています。1回の停電は1グループ3時間で、それでも足りない場合は予備のグループも同時に停電される手筈になっています。

13日の深夜に発表された資料によると、我が家のある地域は第1から第4グループまで該当していて、当初は1日中停電するかもしれないと思われていました。その後、市役所がホームページで発表した詳細な資料によって、我が家の丁目では第2、4グループに当たる、というところまでは分かりました。けれども、昨日までこの地域では停電は行われなかったため、厳密にはどちらのグループに該当しているのか分からない、宙ぶらりんの状態が3日間ほど続いていました。停電がないのは便利ですが、予測ができないという不透明さには困りました。

結局、昨日の夜、予定されていた18時20分過ぎに停電したことで、我が家は第4グループにあることが判明しました。17日は朝から冷え込み、電力需要を満たせない状況だったそうです。昼過ぎに経済産業相が記者会見し、大規模停電の可能性があるから一層の節電を訴えていました。いよいよ今晩かなと思ったので、我が家では定刻5分前にはパソコンの電源を切り、懐中電灯やラジオを用意した上で、家族三人、食卓に集まって待機していました。ほどなくして停電が始まると、窓からマンションの外の様子を確認し、テレビの電源を切ったり、保冷用の氷を冷蔵庫に移したりしました。

その後、夕飯をとるには若干早かったので、この機会に停電中の町を家族で歩いてみることにしました。寒かったのでマフラーや手袋を用意し、懐中電灯を持参しました。昨日はあと3日で満月という月齢で、しかもよく晴れていたため、人影ができるくらいの明るさでした。周囲を見回すと、マンションなどの廊下や玄関先などの電灯が着いています。また最寄りのJRの駅や埼京線・新幹線なども、停電に関わらず、営業していました。子どもの通う学校と自宅を往復してみると、途中、地域で夜間パトロールを行っているボランティアの方々をみかけました。普段も巡回されていますが、昨日は停電に合わせて行動していたのかもしれません。ちょうど帰宅時間とも重なっていたので、家路を急ぐひとたちも多く見かけました。一部の用意周到なひとは懐中電灯を携帯していましたが、そうでない大半のひとたちが夜道を足早に進む様子はちょっと危なげでした。

帰宅後は作り置きしてあったピザをガスレンジで焼いて頂きました。停電中に子どもがトイレを1回利用しましたが、汲み置きしてあったバケツの水を使って流すこともできました。折角なのでiPadの星座測位アプリを使って、星空を観察してみました。無線LANが機能していないので、wifiではなく3G経由の利用でしたが、普段はなかなか見えないオリオン座星雲もよく視認できたいので、光害がないおかげだったかもしれません。起きていてもできることはないので、子どもは早くに寝かせました。その後、9時半ごろに停電は終了し、家電製品も復旧しました。けれども、今後も計画停電が続くことが予想されたので、機器の時計合わせはしませんでした。

こうして我が家ではたいした混乱もなく、最初の計画停電をすごすことができました。ただ、『ポケモン』のテレビ番組が見られなったことが子どもには心残りのようでした。