7月になったら学校でありそうなこと

 現在、被災地を除く東北関東地方で計画停電が行われていますが、このあとも数か月というは単位では従来レベルの電力供給は取り戻させないだろう、と言われています。そうすると今年の盛夏にはどういうことが起きるでしょうか。3月27日現在の供給量が3700万キロワットなのに対して、昨年の猛暑日には約6000万キロワットの需要があったそうです。被災した発電所のいくつかが復旧し、他の電力会社から融通してもらうにしても、福島原発がどうしようもない以上、この夏には相当な節電が要求されるだろうと思います。そうした状況下の学校の様子というのをちょっと想像してみました。
・冷えピタが売れる
 まずエアコンは使えない。使うとしても設定温度は高めになる。大教室は人数が多いので蒸し風呂のようになる。午前中の授業はまだいいとして、午後の3限、4限の授業となると耐えられない。学生も教員も薄着で、ラフな格好になる。集中力も途切れる。みんな冷えピタをおでこに貼って、携帯扇風機を持参するようになる。
・教員の周りに学生が集まる
 次に照明が間引かれる。教室全体を明るくするのは電力の浪費である。後方の蛍光灯は取り外され、窓際はなるべく自然光が利用される。照明効率を上げるために教室前方に集まるよう求められる。これまでは教員を避けるかのように教室の後方の席から埋まっていくのが普通だったが、これからは教卓周辺のすなかぶり席から学生が座るようになる。
・教員が腱鞘炎になる
 パワーポイントの使用も自粛される。プロジェクターでスクリーンに投影するときには消灯できてよいが、排熱が侮れない。かといってマルチメディアスクリーンで表示するとばかみたいに電力を消費してしまう。パワポを使わない板書中心の授業になる結果、教員の指の皮膚はチョークで荒れ、腕は腱鞘炎になる。
・教室がニボシ臭くなる
 暑さのせいで学生も教員もイライラし、キレやすくなる。小林製薬の抗イライラ薬「イララック」が品薄になり、代わりにカルシウムを多く含んだ食べ物が常用されるようになる。ニボシをつまみながら授業が行われる。しかし、臭いもきついのでブレスケアのガムとニボシを交互に食べることになる。
・各地でイデオロギー闘争が発生する
 いっそうもう7月は授業をしないことにする。その代わりに7月分の授業は9月に行う。前期の授業は5,6月の前半と9月の後半とに分割される。しかし、夏休みの間に前半の授業内容を忘れてしまわないように、宿題やレポートが課される。8月下旬のぎりぎりになってから学生が宿題に取り掛かるが、終わりそうにないので親が手伝うことになる。親は30年くらい前の発想で解答しようとするから、社会科学系の授業を中心にイデオロギー闘争が起きる。
 いずれも大げさな想像ですが、今回の地震がもたらした直接・間接の影響は我々の予想を超えるものでした。バタフライ効果がどこまで及ぶか、夏になってみたいと見当もつきません。