石川雅之『もやしもん』

とりあえず2巻まで読んだ感想。佐々木倫子動物のお医者さん』の農学部版というのが基本設定なので、これと比較してみる。まず類似点から。強権的で変人の教授がいる。マイペースな女性の院生がいる。主人公とその幼なじみ(ともに男)の関係が怪しい。主人公は飼っている生き物と会話する。毎回いろんな生き物が登場する。なによりも生き物系学園もの、などなど。これに対して相違点。ほ乳類ではなく細菌。登場人物間の恋愛(があるっぽい)。院生の価値ががやや下落。妙に説教臭い(やたらリベラル)。まったりではなく成長(があるっぽい)。学園ものの二大類型、ビルドゥングスロマンかエターナル・リカレンスかでいうと、後者に入る『動物…』は『うる星やつら』なんかとともに80年代的だけど、00年代の学園マンガは『のだめ』『ハチクロ』みたく教養小説の傾向があるってことでしょうか。少数のサンプル+先入見による思いつきですが。

もやしもん(1) (イブニングKC)

もやしもん(1) (イブニングKC)