『レイブンと最初の人類』

senzan2006-10-08

ハイダ族の文化ではレイブン(ワタリガラス)はもっとも強力な神話的な生き物である.レイブンは強い欲望と好奇心,物事に首を突っ込み,変えようとする抑えがたい衝動の持ち主で,世界とその生き物たちに対して何かと働きかける存在である.
(ビル・リードの)『レイブンと最初の人類』の像はその人類創造の物語をかたどったものである.ハイダ族の伝説によれば,レイブンはある日ハイダの地(現在のクィーン・シャーロット島)の浜辺で自分がひとりぼっちであることに気づいた.そこでレイブンは桁はずれに大きなハマグリを見つけた.その貝殻からはたくさんの小さな人類がはみ出していた.レイブンは彼らを外に出るように誘って,彼の素晴らしい世界でともにすごすよう呼びかけた.最初はためらっていた幾人かの人間たちも,やがて好奇心に負けて巨大なハマグリのちょっと開いた部分から少しずつ這いだしてきて,そして最初のハイダ人になった.

ビル・リード財団の解説より(後日記14/10/2006)