不意を突かれる

 全国紙の『グローブ・アンド・メイル』に自分が研究している人物に関する記事が出ていて,何人かの知り合いがその件を教えてくれた.新聞はとってないし,一日机に向かっている生活なので,貴重な情報である.とりわけ大家がわざわざ記事の切り抜きをもってきてくれたのは,夫婦が大学外の人間だけに,嬉しかった.ここのところずっと自分の関心が内向きだったので,そんなふうに他者に関心をもってくれる人の存在に不意を突かれた.ちなみにその記事というのは,カナダの連邦警察に目を着けられていたアラブ系カナダ人の男性が2002年にアメリカ当局によってニューヨークの空港で身柄を拘束され,シリアに送られてから10か月間拷問を受けたという事件に関連するもの.その後その男性とテロリストとのあいだに関係がないことが分かったけれども,アメリカはなお彼の名前をテロリスト監視リストに載せたままだという.