地球温暖化の影響

 先日見た『アース』は温暖化の影響でホッキョクグマが住む場所を失い、絶滅の危機にあることを訴える映画でした。
 映画館では隣に座っていた小学生の男の子がホッキョクグマの運命に思いを馳せて落涙していました。そこまで情緒的になるものかと意外な気もしたのですが、今週の新聞にも同様の経験をした子どものをもつ親からの投書が掲載されていました。そういう子どもは少なくないのかもしれません。
 温暖化の影響ということになっている極地の氷の融解ですが、その波紋は思わぬところに及んでいます。現在、北アメリカの東海岸から東アジアに船で来るときの最短ルートは、パナマ運河を通って、太平洋を横切る航路です。けれども、もし北極圏の氷がとけて北米大陸を北回りで航行することができたら、約4000キロメートルも距離を短縮することができるそうです。これを北西航路といいます。
 温暖化はアジアと北米、ヨーロッパ間の海運や物流にも影響を与えます。日本国内でも生産拠点や港湾の立地地図に影響を与えるかもしれません。他方で、こうした変化を受けて、カナダやアメリカ、ロシアといった周辺国が北極圏や周辺海域の「帰属」をめぐって鞘当てをしています。
 ところで、うちの子どもはというと、ホッキョクグマの将来よりも、映写機がスクリーンに投影する仕組みの方に関心があったようで、しきりに後ろを振り返っては、映画そっちのけで観察していました。たしかにどういうメカニズムなのか気になりますよね。