集注と日記

senzan2006-02-15

今日は朝から上野東博での「書の至宝」展に行った.王羲之、蘇軾、聖徳太子空海など.ヨーロッパに比べて東アジアで絵画の伝統が弱いのは書があったからだと思うが,言い換えると,書が絵画に相当する地位にあったということだが,その書の頂点を集めたもの.個人的には朱熹の『集注』と藤原道長の日記に惹かれた.『集注』はドラフトで,一度書いたところを墨でぐりぐり塗って書き直してあったりするのがそのまま残っていて思考の臨場感があった.道長の日記も毎日小さな字で几帳面に書いてあって(結婚とか病気とか),親近感がわいた.日記を続けていると,特にブログのような形式で公開してると,日記に書けるような事柄を経験するよう生活を方向付けてしまう本末転倒(生きたことを書くではなく,書くために生きる,みたいな)がありがちだけど,今のところ,そういう欠点よりは利点の方が日記を書いていて感じる.なんとういうか,今までは切れ切れに流していた考えや感覚を蓄積することを意識するようになったというか.

東博を出ると長蛇の列で,しかも入場制限.