歴史の井戸

S先生が編集した本を読む.そのまえがきにあった「強いて『学際的』という標語を掲げずとも,対象に対して真摯に向き合うことが自から越境的な知の形態を生み出す,そういう自由な精神の働きが歴史を学ぶ行為のなかには,いまなお存在するのではないか」という一文がタッチング.村上春樹の井戸のメタファーにも通じる言葉.言うは易く,そのくせ絶望しやすい理想だが,先生の仕事は後学を勇気づける.