荒川河川敷

senzan2007-09-19

 連休中のある日、荒川河川敷に子どもとそり滑りにでかけました。子どもにとっては「悪い子にしているなら荒川に捨てる」という日用の脅し文句の現場へのちょっとした冒険、自分にとっては報告ペーパーの準備からの体のいい逃避です。季節はずれの日差しの中、土手を段ボールでそりすべりしたり、鉄橋下から通過する武蔵野線の列車を仰いだり、巨大な水門の仕組みを観察したりしました。
 川を挟んで対岸は朝霞、志木になりますが、此岸にも朝霞の飛び地があります。本流の他にもいくつかの支流が平行して流れているため、堤防が幾重にも連なっています。堤防と堤防とに挟まれた低地にはこの近辺の大字の地名がついているので、かつては入会地だったのかもしれませんが、現在ではスポーツやイベントを楽しむための公園として、また増水時の調整池としてつくられた彩湖は東京の水瓶として利用されています。先日の台風9号の際にはこのへんは一面海のように水浸しになっていました。それでも毎年この公園にはサクラソウが咲きます。大正年間に天然記念物に指定されたこの花が区の名前の由来になっています。
 土手ではインラインスキーを練習するひとたちや草刈り機で除草する業者、釣り糸をたれる太公望の他に、ショウリョウバッタやコオロギ、モンキチョウシオカラトンボなどの昆虫や、イタチの姿もみかけました。この付近のすこし上流には秋ヶ瀬取水堰があるため、このへんが東京湾から船で遡上できる北限になります。そんなわけである時期にはアザラシさえもここで見ることができした。