オバマ新大統領

 ついにアメリカで黒人初の大統領が誕生することになりましたね。
 今回の金融危機について100年に一度のスケールと評価するひとがいます。前のFRB議長のグリーンスパンは「世紀に一度の金融危機」といい、経済学者のクルーグマンは「自分が生きている間に、世界恐慌に類似するような事態に直面するとは思ってもみなかった」と言いました。
 その伝でいえば、自分が生きているあいだに黒人の大統領が生まれるとは思っていなかった、という感じがします。
 それだけ変化を求める声がアメリカ国民のあいだで強かったということなのでしょう。
 ある米国大統領選ウォッチのサイトで次のようなコメントがありました。

オバマの物語は、未来のアメリカにおける理想の物語。
マッケインの物語は、過去のアメリカにおける美しい物語。
ペイリンの物語は、現在のアメリカにおけるありがちな物語。
(10月24日) http://tameike.net/diary/oct08.htm

 これはこれで的を射たコピーだと思うのですが、斜に構えてみると、むしろマッケインの方がアメリカの未来を暗示しており、オバマは過去のアメリカに対する郷愁を表現している、という気もします。
 ところで、カナダでは10月の総選挙で自由党が敗北し、政権交代は起きませんでした。保守党の方も議席を増やしましたが議会で多数派を形成するにはいたりませんでした。ケベック連合が一定数議席を獲得する限り、安定多数をもつ政権が登場するのは当分ないのかもしれません。
 結局、自由党は党首を変えて再スタートを切るそうです。党首選の候補たちは結構キャラが立っているので、アメリカの大統領選挙よりはマイナーですが、これはこれで面白い選挙になると思います。(11月6日記)