名前書き

senzan2009-04-11

小学校に入ると保育園時代よりもっずっと持ち物が増えます。
まず勉強道具として、教科書やノート、鉛筆や消しゴム、下敷き。
工作や音楽関係で、はさみやのり、色鉛筆やクレヨン、クーピー、粘土、カスタネット
服装や通学関係では、体育着や給食着、防災ずきんや黄色い帽子、ホイッスル、警報機。
そして、その数量と多様性で他の追随を許さないのが算数セットです。
おはじき、数のブロック、数カード、数え棒、計算カード、時計、さいころ、お金、色板、つみきなどが一つのパッケージになっています。
これは、数の概念や計算のやり方、図形の構成などを五感を通じて学ぶことができる、すぐれものです。
こんなに立派で楽しい道具を使って勉強しているのだから、「学力崩壊」や「理科離れ」といった現象はどこか異国の出来事のように思えてきます。
それはともかく、面倒なのは名前書きです。
教科書やノートはもちろん、この算数セットのすべての道具、すべての部品にまで記名する必要があります。
学校からは「分離しうるものにはすべて名前を書く」という指示を受けました。例えば消しゴムやのりのように、本体とケース・蓋が分離できるものは、その両方に記名しておく必要があります。鉛筆はもちろん、おはじきもその一個一個に名前を書くことになります。
ところで、こうした記名が求められる理由には、もちろん紛失や混入を避けるためなのでしょうが、それ以上にこうした出来事にともなう人間関係上のトラブルを回避する目的があるような気がします。だとしたら児童間にも保護者間にも紛争回避や最小化のノウハウや余裕がないことの現れなのかもしれません。
記名の作業は一日でやろうとすると、それこそ徹夜になりかねません。毎日少しずつやっていくのが先輩ママからのアドバイスでした。おそらく200くらいは名前をかくことになるでしょう。この時ほど、シンプルな名前にしておいてよかった、と思ったことはありません。外国系の名前の子どもをもつ保護者の苦労がしのばれます。
それでも忙しくて時間がとれない、あるいは字に自信がないなどの事情があるひとは、名前シールを作成、購入するという手もあります。
ベネッセのチャレンジ1年生でももらえますし、写真屋でも作ってくれます。鉛筆は文具店でネーム入りのセットを買うことができますし、テプラを利用するのもいいでしょう。
この時期は子どもも親も心理的な余裕を失いがちです。お金で済むならそれで済ませた方がいいかもしれません。(2009/04/13記)