へんないきもの

最近親子3人で、早川いくを(文)・寺西晃(絵)の『せいぞろい へんないきもの』(バジリコ株式会社)にはまっています。
本書は、ハダカデバネズミやメンダコ、ウミグモなどの変な形態、妙な生態の生き物100匹以上を紹介したもので、1匹ずつユーモラスな解説と不気味なイラストがついていて、ページをめくるたびにびっくりしたり、噴き出したりします。
例えばハダカデバネズミは穴掘りのためだけに、目も耳も毛も捨てて、歯と顎だけを進化させてきた地中哺乳類です。しかし、それだけ穴掘りのために専念して進化してきたのに、実際にはグループの何割かはさぼるくせがあるらしく、いちいち「女王ネズミにドつかれる」そうです。
またヒライソガニは日本各地でよく見られる甲長3センチほどのカニですが、背中には子どもが落書きしたような笑顔の模様があります。「そのスマイルはどこからどう見てもマンガなので、当然誰かがマジックで書いたと思われたが、本物であることが脱皮して初めてわかった」そうです。
プイリードッグは北米の大平原にすむ体長30センチほどの生き物なのでその名があります。見た目はかわいいのですが、生存競争が苛烈で、メスは他の家族の巣穴に侵入して子どもを食い殺したり、生き埋めにしたりするそうです。
ツノトカゲは目から血液をビーム状にして1メートルも飛ばします。
ナガヅエエソは、昔、『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』にも登場していました。
ミミックオクトパスは先日、NHKのテレビ番組『ダーウィンが来た!』にも取り上げられていました。
昆虫やカニ、クモなどの節足動物が人間から見て気味が悪いのはありがちな話ですが、本書を読むと、哺乳類も相当後味の悪い見た目と行動に進化していることが分かります。

せいぞろい へんないきもの-世にも奇妙な生物グラフィティ

せいぞろい へんないきもの-世にも奇妙な生物グラフィティ