図書館の使い方

senzan2006-12-08

冬学期が終了して今週から試験期間なので学生のみなさんは勉強に勤しんでいる.それに合わせて図書館も深夜1時まで開いていて実に素敵なことである.素敵といえば図書館の本の貸出冊数に上限がないことで,個人的に今月は論文生産強化月間で,来月は某センターで別のペーパーを報告する予定なので資料を大量に借りてきている.そんなに借りて期限までに読めるのかと不審に思われるかもしれないが,これまた素敵なことに貸し出し期間は2か月間,しかも何度でも更新可能なので,その気になれば在籍中は個人蔵状態にできてしまう.近年は日本の研究書も高騰しているけど,北米のそれは日本の比ではなく,学生は教科書はきっちり買わされるけれどそれ以外の研究書は図書館で借りて済ませるというスタイルができあがっている.だから授業で参照されたり,アサインされたりした図書はリザーブ扱いとなって,館内の専用ルームでの利用ないしは時間限定の貸し出し(通常1時間から3時間)のみの利用になる.またアサインされてはいないけど,貸し出し率の高い基本図書などは同タイトルが5冊も6冊も同一書架に並んでいたりする.だが,ここで問題になるのが,頻繁な貸し出しに対応できるほど返却処理の能力がない点で,オンライン上では返却が受理されていても,所定の書架に本が回送されるまでに5から7営業日くらい平気でかったたりする(週末も開館しているけどスタッフが限られる)*1.そんな事情もあっておいそれと返却できないために,個人蔵状態が助長される.逆に言うと学内で類似の研究テーマを抱えているひとが他にもいる場合,研究内容のみならず研究資源の点でも競合関係におかれることになる.幸い今自分がやっているテーマについて学内で重複して研究しているひとはいないみたいで,欲しい本が誰かの個人蔵状態になっていないのは本当に助かる.

*1:この回送遅延問題の解決策の一つが出納・回送の自動化で,画像にあるように一部の利用率の低い図書は自動化された専用書架(体育館くらいあって,そこをロボットが縦横無尽に動いていてちょっとSF的)から機械的に出し入れされることになっている.これはこれで便利だけど,直に手にとって下見したり,関連書籍をブラウジングできないのが難点.