ウィキペディア「仙台市」がすごいことになっている件

 縁あって仙台ウォッチが趣味なんですが,先日ウィキペディアの「仙台市」の項目を見てその濃度に圧倒されました.
仙台市 - Wikipedia
 地理とか歴史とか人口とか産業といった内容は大抵の都市でもカバーされている情報ですが,「三大あいちゃん(福原・宮里・大友)」とか「金融機関別平均預金金額」とか「実はサーフィンが人気」とか「ホームレス人口150人(ただし降雪時の調査のため実態を反映していない可能性もある)」といったトリヴィアは他に追随を許さしていません.試みに他の14の政令都市のウィキペディアの情報量と比べてみたんですが,仙台が断トツでした(他は大体200キロバイト台で多くても350キロバイトなのに対して,仙台は600キロバイト).
 そんななかで個人的に興味深かったのは次の三つの記述*1

「丁」は侍町,「町」は町人町
 仙台市は城下町から発達した市であるが、中心市街地の地名の尻に、「丁」を付けるものと「町」を付けるものとの二種類がある。「丁」は「ちょう」、「町」は「まち」と読む。藩政時代、侍町には丁を付けた(名掛丁や東二番丁など)。一方、町人町には町を付けた(国分町や大町など)。現在の一番町は「町」となっているが、藩政時代には「東一番丁」と書き、侍町であった。現在も通りの名称は「東一番丁通り」である。

 新宿区の東部のように旧町名がそのまま残っているので部外者には煩雑ですが,そんな法則性があったんですね.

農政がニュータウンの島状分布を作った
 米は仙台の主力農産物であり、かつ、ササニシキやひとめぼれなどのブランド米を産する土地柄、平野部の稲作地は都市化圧力から守られてきた。市内東部の平野や河川沿いの平地では土地改良事業が行われ、長方形型の大きな圃場が整備されて、大型農機による大規模稲作が行われている。これらの大規模圃場は、一部税金を用いて整備されているため、商業地や住宅地への転用が条例によって規制されている。……衛星写真で見ると、仙台市東部と特に七北田川沿いの農地が開発規制されているのが分かり、他の大都市との農政の違いが分かる。即ち、他の大都市が、平地にあれば同心円状、谷あいにあれば平地のほとんどが都市化している一方、仙台都市圏は、幹線道路および在来線沿い以外は農地の開発規制がされている。……仙台市の農地政策は、「都心部以外は、平地は農地、丘陵地は住宅地」 という都市構造を助長した。そのため、住宅地が丘陵地ごとに島状分布し、都心と住宅地との間に坂道が多いため車社会を加速し、人口密度が低く、人口の割に職住が離れた非効率的都市圏を形成することになった。

 なんでみんな山の上に住んでいるのか不思議だったけど,ササニシキのせいなんですね.

あの工事はいつまで続くのか
 現在、東北大学病院の東端に沿って南北に走る木町通りの拡幅作業がなされているが、この道は、北向きに輪王寺を地下トンネル(北山トンネル・仮称)で通過し、桜ヶ丘・泉パークタウンを貫いて大和町へと至る宮城県道264号大衡仙台線(都市計画道路北四番丁大衡線)である。この道路は、北西部の住宅地と中心部とを結ぶ幹線道路という側面の他に、この道沿いに存在する東北大学病院東北大学医学部・フィンランド健康福祉センター・宮城学院大学・宮城大学宮城県図書館・泉パークタウン内の数々の研究施設、そして、仙台北部中核工業団地を結んで「智の回廊」として機能することも期待されており、「学都仙台」の戦略的道路となっている。

 あの工事にそんな不敵な目論見があったなんて知りませんでした.完成は平成22年の予定らしいです.

*1:ウィキペディアは概ね信頼できますが,つねに正確な記述ばかりとは限りませんので,その点含み置きを.