しまじろう

　年末にベネッセのしまじろうコンサートに行ってきました。コンサートはミュージカル仕立てで、しまじろうたちがサンタのおもちゃ工場の手伝いをするというお話です。一緒に歌を歌ったり、客席にお姉さんがやってきたり、きらきら光るカードを使って芝居に参加させたりと、子どもを飽きさせない工夫が随所に見られ、感心させられました。それでもなお乳児にとっては刺激やストレスが強すぎるのか、あちこちから泣きわめく声が聞こえてきて、ちょっとした阿鼻叫喚になっているのには不謹慎ながら笑ってしまいました（写真は受け付けで預かっているベビーカーの山）。
　ベネッセから送られてくる「しまじろう」（こどもちゃれんじ）にはもう何年もお世話になっています。主役のしまじろうはトラの子どもで、父トラは郵便屋さん、母トラは主婦、本人の性格は温厚で聞き分けがよく、かなり育てやすそうな子どもですが、脇をかためるキャラクターのとりっぴい（オウム）やみみりん（ウサギ）に結構毒があっていい味を出しています。
　相原コージ・竹熊健太郎の『さるでも描けるまんが教室』に「連中は一体、何を食べているのか？」というコラムが載っています。「連中」というのは動物マンガなどのキャラクターたちのことで、しまじろう（トラ）とみみりん（ウサギ）はあれでうまくやっていけるのか、という問題に迫ったものです。竹熊さんはミッキーマウス（ネズミ）がプルート（イヌ）を飼うという設定についても批評的な関心を示していました。
　温厚なトラと狡猾なオウム、嫉妬深いウサギたちのあいだで繰りひろげられるちょっとしたトラブル。毎度教育的なオチに落ち着くのですが、見ている大人はいつそれが悲劇に暗転してしまわないかとはらはらさせられます。

しまじろうといっしょにおどろう~ハッピー・ジャムジャム~(CCCD)

サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 上巻 (BIG SPIRITS COMICS)