薬の副作用

 子どもの通う保育園でインフルエンザが流行っています。国立感染症研究所の「インフルエンザ流状状況」をみると、全国的にじわりじわりと流行が広がっているのが分かります。
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/2007_2008/trend.html

2008年 第02週 (1月7日〜1月13日) 2008年1月17日現在
2008年第2週のインフルエンザ定点当たり報告数は6.40(患者報告数30,282)となり、冬期休暇の影響で減少のみられた第1週(定点当たり報告数3.18)のほぼ2倍に増加した。都道府県別では愛知県(11.8)、香川県(11.3)、静岡県(10.8)、三重県(10.2)、愛媛県(10.2)、岩手県(9.8)、徳島県(9.4)の順となっている。警報レベルを超えている保健所地域は2箇所(青森県大阪府)と前週に比べて減少したが、注意報レベルのみを超えている保健所地域は79箇所(30都府県)と増加した。
第36週以降、これまでにインフルエンザウイルスの検出はAH1亜型(Aソ連型)933件、AH3亜型(A香港型)73件、B型17件が報告されている。
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/new_jmap.html

 インフルエンザの予防としては、手洗い、うがいの他にワクチンを接種するという方法があります。けれども、病気にかかってしまった後ではタミフルなどの抗インフルエンザ薬を発症後48時間以内に使用するくらいしか、対処がないそうです。
 どんな薬にも副作用があって、オセルタミビル(商品名タミフル)にも腹痛や下痢、嘔気の他に、子どもに使用すると異常行動をきたすという報道がある時期頻繁になされました。子どもに使用する場合には保護者が二日間つきっきりで看病することを勧めるお医者さんの話も聞いたことがあります。他方で子どもの異常行動はインフルエンザ脳症の結果であって、かならずしもタミフルの副作用ではない、という報告もあるそうです。
 ジアゼパム(商品名ダイアップ)は不安を鎮め、けいれんを抑える働きをもつ薬で、60年代から70年代にかけてアメリカでもっとも売れた薬剤の一つだそうです。これにもやはり傾眠、抑うつ、運動機能・協調運動障害などの副作用があるようです。
 ヒト免疫グロブリンG(商品名ガンマグロブリン)は血液製剤の一種で、はしかやA型肝炎治療などに使われます。C型肝炎の薬害を引きおこしたフィブリノゲン製剤のように、ヒトの血液を原料として製造される血液製剤には、何らのかの病気をひきおこすウィルスが含まれている場合があります。この他にもガンマグロブリンにはショックなどの副作用があるそうです。
 薬害肝炎に関しては、昨年末、福田首相が「政治判断」して解決にいたる道筋をつけました。たぶん合理的に考えるなら、誰に責任があるともいえなくなってしまうのでしょう。ある種のリスクをもった薬を子どもに使用するかどうか、それを決める親の立場もその意味で「政治的」なように思います。