住所と選挙

 埼玉都民は県知事選挙よりも都知事選挙の方に関心があったりしますが、日本でも国会よりもアメリカ政治の方に関心があるひとが少なくないようで、今日は朝からNHKブッシュ大統領による一般教書演説を生中継するようです。
 たしかに、こうサブプライム問題やら原油高やらで物価が上昇すると、地元のスーパーでパスタや納豆を買うときにでも、市長選挙参議院選挙よりも、アメリカの大統領選挙やFRB人事の方に注目した方が有意義であるのは理解できます。けれども、地元よりも中央の、日本よりもアメリカの政治に関心があるというのは、民主主義的にはどうなんでしょうか。物理的な居住地と政治的・経済的な帰属先が本来一致していなければならない必然性はありませんが、現在の民主主義はそのよう分離を前提として制度設計されていません。
 こうした分離(現住地で行われる選挙と、自分たちの生活に影響を与える政治とが、かけ離れている)がさらに広まると、選挙というのは地元の神社や自治会の「お祭り」と変わらない政治的ガス抜きのようなものになってしまうのかもしれません。