大人は判ってくれない

 子どものお手伝い。
 ときどき子どもが進んで親の仕事を手伝いたいと申し出ることがあります。卵を割ってくれるといったり、ベランダから落ちた洗濯ばさみを拾ってきてくれるといったり、パソコンで作成している遠足の案内を手伝うといってくれたり。そうした手伝いが助けになることもありますが、往々気まぐれで、邪魔になることもままあるのが実際のところ。
 もちろん、無碍に断るわけにのは教育上よくないので、作業に余裕のあるときには謹んでお受けするようにしていますが、締め切りが迫っているときや、もう夜も遅いときなどには、彼の提案をお断りするしかありません。あるいは「お前の一番のお手伝いはすぐにベッドにいって、早く寝ることだ」とも言います。
 先日、そういうシチュエーションがあったので、ちょっといらだち気味にそう返事をしたら、曰く、「なんで大人はそういうふうに言うの?」と聞き返されてしまいました。これまでもそうした返事に傷ついていたんですね。物は言い様。それとともに、もう「子ども対大人」などと自意識のある括り方をするようになったことに、驚きもしました。