インディ・ジョーンズ4

 先週、インディ・ジョーンズ・シリーズの最新作を映画館に子どもと見に行ってきました。
 やっぱり面白い!の一言。
 破天荒なアクションシーンの他に、地図上を飛行機で移動するシーンや蛇嫌いのシーンなどのお約束の場面もあって、親子で楽しめました。前作までよりもユーモアが薄れたところは残念ですが、その代わりに歴史家的には興味深い発見もありました。
・1957年のアイゼンハワー期のアメリカが舞台
・冷戦下で核実験も継続中、インディはそれに巻き込まれる
・インディは第二次大戦中にはOSS(米国の情報機関)に参加
マッカーシズムの余波もあって、インディはFBIから共産主義者と疑われる
・そのためエール大学のポストを失う
 インディ・ジョーンズ・ウィキによると、彼が生まれたのは1899年。インディの経歴は、この世代に生まれた学者に典型的なもののように思います。考古学の研究者であるが、事変に際しては政治的な活動もいとわない。反ファシズムで、自由を信奉しているけれども、国境を越えて活動し、いろいろな民族とも交際するがゆえに、ときとして共産主義者と疑われてしまう。
 スピルバーグには『シンドラーのリスト』や『プライヴェート・ライアン』といった第二次大戦期の出来事を描いた傑作がありますが、実は、このシリーズもその系列に連なるもののように思います。これを見て、スピルバーグ映画作家としてはもちろん、20世紀を対象とした歴史家としても偉大であるのだな、と認識した次第です。