ヒマワリの魔法

senzan2009-04-26

植えてから4日もしないうちに、ヒマワリの種が発芽しました。
進研ゼミから届いたセットには土中に植えるものと、透明なゼリーに植えるものとの2つが用意されていました。
後者は発芽の様子を観察しやすくすることで、子どもの飽きっぽさを予防するという工夫のようです。本来なら土中で見えない変化がこれなら一目瞭然です。
これには感心しました。派手なイラストや親しみのわくキャラクター、豪華プレゼントなどで子どもを机に向かわせるのには躊躇いがないわけではありませんが、この工夫は、さすが、長年の実績と大勢の子どもたちを見てきた企業の強みだと思いました。
ところで、先日の日記で植物の「光合成」と哺乳類の「消化」という化学変化について触れました。
いずれもそのままでは食べられないものを、人間が口に入れ栄養として吸収可能なものにしてしまう変化です。
いまの私たちは農耕や牧畜のことを科学技術だとは思っていません。科学というと素粒子物理学の研究のようなもので、技術というと国際宇宙ステーションの開発のようなものだと思っています。
しかし、農耕や牧畜が成立した頃、それは最先端の科学技術だったはずですし、こういってよければ魔法のようなものだった思います。農業は太陽の光や空気を炭水化物に変え、牧畜は苦くて不消化な草葉を動物性たんぱく質に変えてくれます。これは何でもないものを貴重なものに変化させる、いわば錬金術的なプロセスです。五穀豊穣の祈願や収穫への感謝に関する宗教儀礼が世界各地にあるのは、それが人智を超えたマジカルなものと思われていたからではないでしょうか。
ヒマワリは光を食べて大きくなります。
子どもはそれを見てせっせと記録をつけています。
大人はそのことを忘れてしまっていますが、子どもにとってはそれがかつてもっていたワンダフルさを素直に受けとめられるのかもしれません。