『レッドクリフ2』

週末に映画『レッドクリフ2』を見てきました。
この作品は、三国志における赤壁の戦いを描いたジョン・ウー監督、トニー・レオン金城武他出演の中日合作の映画です。
子どもと出かけたのは、雨でサッカーの少年団が休みになったためです。
吹き替え版の劇場は5分の入りでした。
ところで、ジュール・ルナールは蛇について「長すぎる」とコメントしました。
ウディ・アレントルストイの『戦争と平和』について「ロシア人の話だ」と要約しました。
その伝でいえば、『レッドクリフ2』は、たくさんの中国人が殺し合う話です。
相原コウジ・竹熊健太郎は『サルでも描けるまんが教室』において、マンガにおいてテーマやメッセージは副次的なものにすぎないということを喝破し、そのパターンを整理しています。人がたくさん殺される場面をさんざん描いておいても、最後に「戦争は無意味だ」と申し訳をつけておけば「人道主義的」な作品として成り立つ、ということです。
この『レッドクリフ2』も、さんざん殺し合いがつづいた後で最後に戦いの不毛さを訴えるようなシーンがあって、それがあまりにとってつけたかのようなオチだったので、椅子からずり落ちそうになりました。

博物誌 (新潮文庫)

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