文具店の時計

忘れ物を取りに学校へ行った帰りの話です。
帰りがけ、校門のところで子どもの担任をしてくださっているK先生に声をかけられました。
K先生は2階の窓際に掛け時計を設置しているところでした。
それで地上の校門から、その時計がよく見えるかどうか、と声をかけてきたわけです。
聞くと、この時計は、先日、店を閉めたS文具店から贈られたものだそうです。
このお店はこの正門前で40年間営業を続けてきました。
子どもたちは毎朝このお店の中にある時計を覗いて、時間を確認しながら、登校していたそうです。
お店の主人は、店を閉めてしまうと時計が見られなくなって困るだろうと思い、時計を学校に贈ってくれたそうです。
お店はなくなっても、その記憶はこうやって残っていくんだな、と思いました。