さいたま市長選挙2009

今週末にさいたま市長選挙が予定されています。
現職を含む6人が出馬していて、相当の混戦模様です。
立候補している6人全員が無所属ですが、自民党系が4人(5人?)もいたり、共産党推薦の党専従職員なのに無所属として出馬していたり、地方における政党所属が何を意味するのか考えさせられます。
A氏のキーワードは「実践力」。父祖三代で市長を世襲している現職です。これまでの実績をアピールし、子どもの相撲大会でも「歴史」語りに余念がありません。しかし、大臣クラスが頻繁に応援演説にやってきている様子からは、見通しは楽観していないのでしょう。ブッフバルドの来日応援で当確なるか?
S氏が掲げるのは「政権交代」。新期で6期目になる現職に対する多選批判を展開しています。もともとは自民党の県議でしたが、現職とのシンボリックな対立構図のせいか、民主党も有名人による応援演説を次々に投入しています。けれども、民主党出身の上田県知事は現職のA氏の方を応援していたりして、二重三重に分かりにくくなっています。
K氏は「地域対立の克服」。現職が浦和派なのに対して、彼は大宮派の支持を受けています。平成の大合併によって過去のものと思われた伝統の二都物語の再現です。彼の場合、旧与野・岩槻市の票をどれだけ取り込めるかがポイントです。
N氏は「女性市長の誕生」がキーワード。小泉チルドレンとして衆議院議員になったはいいものの、今度の総選挙では厳しい戦いが予想されるためか、自民党票を割っての出馬です。土屋前知事の長女である衆院議員は応援しているようです。
M氏は「雇用と福祉」。かつては20年間も革新県政を続けた畑和のような知事もいましたが、さすがに共産党推薦の候補者を当選させるだけの時代の風はまだ戻ってきていないでしょう。
T氏は「松下幸之助の直弟子」。だから何?というのが難点の候補。他の5氏のようなカラー(明確な支持勢力)がないことが個性でしょうか。土屋前知事の秘書も務めていたようです。
このように今回の市長選挙はかなりの混戦で、かりに法定得票数に届かなかった場合は、再選挙の可能性もあるそうです。トクヴィルは地方政治は民主主義の学校と言いましたが、そんなわけで今回の授業料は高くつくかもしれません。