市長選挙2009のおさらい

さいたま市長選挙はいよいよ明日投開票です。
かつてない大混戦で、普段は地方選挙に無関心なさいたま都民たちも、心なしか興奮しているような気がします。まあ、私だけかもしれないんですが……。
ここでさいたま市長選挙についておさらいをしておきましょう。
まずさいたま市の人口は121万8206人で(5月1日現在)、有権者数は97万1631人です(5月14日現在)。
前回2005年の市長選挙では投票率35.5%で、現職のA氏が13万5553票、共産党推薦の候補者が6万3880票、現在衆院議員になっているN氏が12万1735票をそれぞれ獲得しました。このときは現職のA氏が再選されましたが、N氏と差は1万3818票でした。
これに対して今回はもう少し高い投票率が予想されます。民主党代表選後初めての政令指定都市の選挙であり、また今夏に予定されている総選挙を控えて、マスコミの注目が集まっていますから、投票率も多少は高くなるでしょ。かりに40%だとして、投票総数は38万8660票になります。
このうち6万票は共産党の固定票なので、残りの32万票の奪い合いです。
この場合、過半数は16万票で、当選に最低限必要な法定得票数(25%)は9万5000票ですから、この二つの数字の間でのせめぎあいになるでしょう。
共産以外の5人の候補者のうち4人は、それぞれ「現職」、「民主」、「大宮」、「代議士」の大看板(=基礎票)があるので、誰にでも当選の可能性があります。
かりにこの4人で単純に32万票を割るなら、1人あたり8万票で誰も最低ラインに届きません。
もし共産党支持者が自民党系候補者の当選を忌避して戦略投票をするなら、民主党系のS氏が有利になるでしょう。
逆に近年の共産党の復調傾向が今回の選挙にもあてはまるのなら、S氏には不利になるかもしれません。
もし今日この後、さいたま市内で新型インフルエンザの感染拡大が続いたら、投票率は下がるので、現職が有利になるでしょう。
いずれにしても当確ラインは前回より下がって、10万票プラスマイナス1万票くらいでしょう。そうすると有権者全体の1割程度の支持で市長になることになり、民主的な正当性という点では、弱いリーダーになってしまうでしょう。