ため池

senzan2009-06-12

先日帰省した時はちょうどため池の樋抜きをし、田んぼに水を導いて、代かきをする日でした。
そこでまず農業用水の供給源であるため池を訪ねることにしました。どこから水が来ているのか、知るためです。
もともと瀬戸内海沿岸は降雨が少なく、大きな川も限られているため、農業用水を確保するためにため池が発達していました。特に兵庫県は日本一のため池大県(?)です。兵庫県のウェブサイトによると、県内のため池の数は43,734で、2位の広島県(21,010)の倍以上もあります。また県では、こうしたため池の価値や可能性を見直して、「ため池整備構想」なるものを進めているそうです。
http://web.pref.hyogo.jp/af08/af08_000000016.html
http://web.pref.hyogo.jp/af08/af08_000000032.html
実家のあたりにも複数のため池があります。大池、新池、能楽池などです。これらは山麓の谷間を横切るようにして堤を築き、貯水するタイプの谷池(山池)です。谷間に作り、その下流の田んぼに導水するわけですから、当然、ため池は坂道をずっと上ったところにあります。米づくりに欠かせないとはいえ、その管理・保守は楽ではありません。
ため池には農業用水以外にもいくつかの働きがあります。治水、防火用水、レクリエーション、生物の多様性の確保、それから動物性たんぱく質の供給源でもあります。一年に一度、ため池の水を完全に排水して、池で育てたコイやフナをつかまえることがあります。今はどうか知りませんが、私が小さな頃は大の大人がどろんこになって大きなコイと格闘している様子を見ました。
香川には空海が9世紀に修築した満濃池というのがあります。また今年は松山で15年ぶりの渇水で、今日からは夜間断水が実施されるということです。雨の少ないこの地域の人間にとっては、ため池は昔からとても馴染みのある人が作り出した自然の風景です。
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20090610ddlk38040690000c.html