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赤の女王仮説

先日、テレビ東京の経済ニュース番組『ワールド・ビジネス・サテライト』を見ていたら東京大学のY先生が授業改革について取材を受けていました。 「ハーバードやMITとかに学生を取られないように、どうやっていい学生を東大に来てもらうかを考える時代になっ…

アンナ・カレーニナの原則

うちの妻子は『マダガスカル』という映画が大好きで、先日公開されたパート2にもいそいそと二人で映画館に見に行きました。 パート1のDVDももちろん繰り返しみています。 この映画はマンハッタンの動物園で何不自由なく暮らしていたライオン、シマウマ、カ…

へんないきもの

最近親子3人で、早川いくを(文)・寺西晃(絵)の『せいぞろい へんないきもの』(バジリコ株式会社)にはまっています。 本書は、ハダカデバネズミやメンダコ、ウミグモなどの変な形態、妙な生態の生き物100匹以上を紹介したもので、1匹ずつユーモラスな解…

お年玉の経済学

子どもの小学校入学に際して各方面からお祝いをいただきました。 ありがたいことです。 こうした親族知人からのお祝い金は、一時に集中して多額の支出が強いられるイベントのときには本当に助かります。 人生における予測可能な出来事、したがってある程度準…

マータイの戦略

中学校高校の英語の教科書にワンガリ・マータイの話が載っています。 うちの彼女が授業で使っているので、知りました。 マータイは、2004年に持続可能な開発への貢献でノーベル平和賞を受賞したアフリカの環境保護活動家です。 彼女が日本でも知られているの…

信任状奉呈のプロトコル

先月、外国から新しく来た大使の信任状奉呈式を見てきました。 大使は二頭立ての馬車に乗り、丸の内の明治生命館から二重橋を通って皇居を訪れます。 日本に大使館のある国は145カ国(含むEU)。平成20年度の場合、37カ国からの信任状奉呈式が行われました。…

敷居の高い国会

折角国会議事堂まで来たのだから内部まで見学したかったのですが、あいにく衆議院は代議士の紹介がなければ見学できず、参議院は平日なら紹介がなくても入れるそうですが、土日はやはり紹介が必要ということで、この日はかないませんでした。 それにしても、…

イグナティエフ、カナダ自由党党首に

ジャーナリストで、ネオコン的な外交政策を支持してきたマイケル・イグナティエフがカナダの自由党党首になったそうです。とりあえず暫定で。 カナダの自由党は日本の自民党のような政党で、今世紀の大半を政権党として国政に携わってきました。 今、カナダ…

加藤周一死去

評論家の加藤周一が亡くなったそうです。 「日本文学史序説」「九条の会」設立 加藤周一さん死去 2008年12月6日0時35分 戦後日本を代表する知識人で、和漢洋にまたがる幅広く深い教養をもとに、政治や社会、文化を縦横に論じた評論家、加藤周一(かとう・し…

「歴史の教訓」の意味

自宅の近所で厚労省の事務次官を務めた方とその奥さんが殺されるという事件がありました。併せて元次官の奥さんが同様の手口で襲われるという事件も起きています。昨日、今日の報道では年金問題に関係した連続テロの疑いもある、ということです。 事件現場の…

アフォーダンスの教育

子どもが通っているサッカースクールで、練習の最後にいつも子どもたちがミニゲームをしています。 フットサルコートを半面使って少人数に分けてやらせるのですが、待機中の子どもたちが遊んだりしないようにするために、コーチは彼らにキーパー役をやらせま…

サッカースクールのブログ

子どもの通っているサッカースクールにブログがあります。 ブログを執筆しているのは何人かのコーチたちなのですが、そのうちの一人が熱い。例えばこんな感じです。 自分に自信をもとう。 練習は自分を裏切らない。 ひとの練習を見るのも練習の一部だ。 練習…

埼玉県民の日

今日は埼玉県民の日ということで、公立学校の生徒は学校が休みのようでした。 このため埼玉県の子どもは11月には3連休が3回もあることになります。 南浦和駅を利用したら、構内で東京ディズニーランドの県民限定割引チケットが販売されていました。 県庁の…

『AERA with Kids 4・5・6歳のための特別版』

アエラの育児雑誌を購入。 小学校入学を控えた親向けの臨時増刊号で、電車のつり革広告を見て買いました。 「小学校入学までに身につけておきたい学習習慣と生活習慣」を読んで、反省させられました。学習習慣の方はほぼいいとして、生活習慣の方がまだまだ…

堤未果『ルポ貧困大国アメリカ』2008年

もういろんなところで紹介されている本だけど、やっぱり衝撃的な本。 短期間ですがアメリカで生活したときにぼんやりと感じていた事柄を、ずばり言葉にしてくれていて、そういうことだったのか、と納得させられました。 一言で言うと、貧しさのイメージを180…

ジョン・ウィリアムズ祭り

先月末にスピルバーグ監督の『E.T.』のDVDを借りてきて見ました。 ハロウィンだったので、それにちなんだ選択です。 今回何十年振りかにみて、改めてアメリカ史家としてのスピルバーグの力量に舌を巻きました。くわえてそのユーモアにもにやりとさせれました…

バンクーバー五輪のキャラクター

2010年にバンクーバーで冬季オリンピックが開催されます。 そのマスコットはカナダ西岸の先住民の文化にインスパイアされた3つのキャラクターです。 ・ミーガ:神話的な海のクマ。シャチとクロクマを併せている。 ・カッチ:サスカッチ(雪男)。アイスホッ…

オバマ新大統領

ついにアメリカで黒人初の大統領が誕生することになりましたね。 今回の金融危機について100年に一度のスケールと評価するひとがいます。前のFRB議長のグリーンスパンは「世紀に一度の金融危機」といい、経済学者のクルーグマンは「自分が生きている間に、世…

死刑制度と裁判員制度

来年5月から開始が予定されている裁判員制度にはいろいろ問題点が指摘されている。普通の国民が仕事や家事を離れて裁判に拘束される精神的・経済的な負担であるとか、法律や判例などの専門知識を持たない素人が有罪・無罪だけでなく、量刑についても判断する…

雨宮昭一『占領と改革』

清沢洌は『暗黒日記』で日本の戦時体制を軍国主義と共産主義の合作として把握していた。このような同時代イメージは政治史的にも確認されている。 雨宮昭一は1920年代以降の日本政治史のアクターとして自由主義派、国防国家派、社会国民主義派、反動派の4つ…

清沢洌『暗黒日記』

清沢洌には『暗黒日記』という太平洋戦争中の政治や生活に関する雑感を記した日記がある。原題は「戦争日記」という。清沢は昭和初期を代表する自由主義の評論家で、その得意とした分野は外交、日米関係であった。彼は終戦直前の1945年5月に肺炎で他界してい…

総選挙直前のカナダ

カナダの総選挙を明日に控えて、日本でも今朝の朝日新聞で政権交代の可能性があることが報じられた。金融危機を受けて政権批判の声が高まり、保守党と自由党の支持率の差が縮んだ結果、第3党の態度次第では政権交代もありうるということだ。 スティーブン・…

選挙とマイケル・ムーアの意見

日本では総選挙をやるやらないで政界はやきもきしているようだが、同じく太平洋沿岸のカナダ、ニュージーランド、アメリカでも近く選挙が行われる。ニュージーランドは11月8日、アメリカは11月4日、カナダは10月14日に選挙が予定されている。 カナダでは2006…

フーバー大統領

日経平均もいよいよ8000円前半になってしまい、アメリカでも金融機関への公的資金の投入の是非がいよいよ本格的に議論されているようですね。これまでさんざん政府による市場介入を批判し、企業の自由な活動を支持してきただけに、政治家も国民も公的資金の…

服部龍二『幣原喜重郎と二十世紀の日本』、同『広田弘毅』

幣原喜重郎と広田弘毅は戦前の日本を代表する外交官である。著者はこの二著で城山三郎が『落日燃ゆ』で描き出したような広田に同情的なイメージを批判しつつ、幣原を20世紀の日本外交を代表する指導者として評価している。二人の評価を分かつものはなにか。…

安達が原の福沢諭吉

先日、福沢諭吉の自伝『福翁自伝』について授業で喋る機会がありました。福沢の自伝は100年前の文章でありながら口述筆記されたためか非常に読みやすく、一つ一つのエピソードが短くてあっという間に読めてしまいます。下手な小説よりずっと破天荒で、抱腹絶…

夏休み文楽

神戸に出張した帰りに大阪で文楽を見てきました。 うだるような暑さの中、お昼にお好み焼きを食べて、第2部の「鎧の権三重帷子」と、第3部の「国言詢音頭」を続けてみました。6時間の長丁場ですが、至福の時間でした。 「鎧の権三重帷子」は単身赴任で夫が家…

北岡伸一『国連の政治力学』

本書は一人の政治学者が大学から国連代表部次席大使に転じてから2年半のあいだの経験に基づいて書かれた国連論である。 全体は4部に分かれており、国連という組織の概観、代表部の日常的な業務、安保理改革の経緯、国連と日本外交の未来がそれぞれのテーマ…

インディ・ジョーンズ4

先週、インディ・ジョーンズ・シリーズの最新作を映画館に子どもと見に行ってきました。 やっぱり面白い!の一言。 破天荒なアクションシーンの他に、地図上を飛行機で移動するシーンや蛇嫌いのシーンなどのお約束の場面もあって、親子で楽しめました。前作…

チベット問題を勉強した頃

北京オリンピックの開催を今年8月に控えてチベット問題に関する報道を頻繁に耳にします。これに関連して、昔、授業を受けたことがある中国政治外交史の先生の姿をテレビでよく見かけるようになりました。チベット問題に関する解説を依頼されてのことです。 …